
ごあいさつ
このたびはゲノム医科学・遺伝医学教室のホームページをご覧いただきありがとうございます。当教室は、近年がん治療はじめ様々な疾患の診断や治療において急速な発展を遂げているゲノム医療分野や、生来染色体や遺伝子の変化が病気の原因になる先天性・遺伝性疾患を対象とする遺伝医学分野の発展のために研究・教育・診療的な観点から取り組んでいくことを目的に2024年1月に新たに開設されました。私は初代教授を拝命いたしました隈元謙介と申します。
私は今まで30年間外科医として乳がんや大腸がん・胃がんなどの消化器がんの手術治療に携わってきました。この間手術治療も大きく様変わりして、開腹手術から腹腔鏡やロボット支援手術と安全で機能温存を考慮した低侵襲手術に置き換わりました。また進行したがんの治療成績は、抗がん剤や放射線治療を単独あるいは併用する集学的な治療により向上しています。さらに2019年からがん治療における薬剤選択を目的とした「がん遺伝子パネル検査」が基幹病院で実施されたことで、個別化医療を実現する手段としてゲノム医療の発展が期待されています。一般的ながんの発症はゲノムという遺伝子に関わる構造になんらかの変化が生じて起こるわけですから、がんゲノム研究をすることで正常な細胞からがん細胞ができる遺伝子異常を解明し発症を予防することやがんの早期診断への活用、さらに特定の遺伝子変化を標的とした治療薬の開発に取り組み社会貢献を目指します。
一方、遺伝医学分野も遺伝性腫瘍症候群という生まれながら特定のがんになりやすい病気をはじめ、産科領域の出生前診断から小児領域の先天性疾患、循環器、内分泌、神経疾患の多岐にわたります。症状からの遺伝子診断の必要性やその結果の解釈などこれから臨床医には必須となるため、診療はもとより若い世代の教育にも取り組んで参ります。
当教室はゲノムを駆使して様々な疾患の病態の解明する基礎医学研究を主軸に臨床における診断や治療への応用を目指したトランスレーショナルな役割を果たしながら、ゲノム情報の活用による社会的貢献や教育的な啓発に努めてまいります。
是非、大学院生や医学部生として基礎医学研究に興味がありましたら、自分で遺伝子解析できる技術はすべて教えますので、様々な疾患の診断や治療の開発を一緒に取り組んでいきましょう。
2024年11月吉日
隈元 謙介

Staff
スタッフ紹介
役職 | 氏名 | 専門分野 |
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教授 | 隈元 謙介 Kensuke Kumamoto, M.D., Ph.D. | 遺伝性腫瘍、分子生物学 |
助教 | 小川 崇 Takashi Ogawa, Ph.D. | 分子腫瘍学、細胞生物学、タンパク質科学 |
助教 | 早田 正和 Masakazu Soda, M.D., Ph.D. | 遺伝子検査 |
協力研究員 | 駿河 咲希 | |
事務補佐員 | 宮本 早都子 | 事務全般 |